井の頭線の車両 -1000系-
 TOP  >  井の頭線の車両  >  1000系


   概要  ◆

1000系は1996年(平成8年)に営業を開始した井の頭線初の大型20m4扉車である。
車体はオールステンレス製だが、前面を普通鋼とし非常用の貫通扉を設置。前面は3000系同様、編成別に7色のレインボーカラーに塗られ、側面には前面塗色の濃淡2本の帯が施されている。
この1000系には軽量化が図られていて、戸袋窓が廃止された。室内はホワイト系を基調に明るいイメージにまとめられ、吉祥寺よりの先頭車両には車いすスペースが設けられている。
広くなった運転台には、タッチパネル付きカラー液晶ディスプレイによるガイダンス表示器が搭載され、乗務員支援に役立っている。また主幹制御器は、京王線では6000系以来使用されているT型ワンハンドルマスコンが井の頭線でははじめて採用された。
1000系は、製造のたびにマイナーチェンジを繰り返している。2003年から製造された3次車と4次車には、京王線に先行導入されたドアチャイムや高運転台などが、製造当初から装備されており、2008年から製造された5次車には、フルカラーLEDによる行先案内表示や液晶画面を用いた車内案内表示器も導入された。なお5次車は、外装・内装共に従来のものから大きく変更されたため、編成番号が20番台に区分けされている。



























     編成詳細    ◆

写真はクリックすると大きくなります。なお、走行音を聞くにはRealPlayerが必要です。
*1701Fは、現在アドギャラリー編成(広告貸切車)
編成写真←渋谷  編成図   吉祥寺→製造VVVF素子走行音(収録区間)区分
*
1701F
1751-1101-1501-1001-1701東急車輌東洋電機GTO富士見ヶ丘→高井戸1次車
1702F1752-1102-1502-1002-1702東急車輌日立IGBT井の頭公園→三鷹台
1703F1753-1103-1503-1003-1703東急車輌東洋電機GTO富士見ヶ丘→高井戸
1704F1754-1104-1504-1004-1704東急車輌日立IGBT駒場東大前→神泉
1705F1755-1105-1505-1005-1705東急車輌東洋電機GTO新代田→東松原
1706F1756-1106-1506-1006-1706日本車輌日立IGBT新代田→下北沢2次車
1707F1757-1107-1507-1007-1707東急車輌東洋電機GTO東松原→新代田
1708F1758-1108-1508-1008-1708日本車輌日立IGBT高井戸→富士見ヶ丘
1709F1759-1109-1509-1009-1709東急車輌東洋電機GTO下北沢→池ノ上
1710F1760-1110-1510-1010-1710東急車輌日立IGBT東松原→新代田
1711F1761-1111-1061-1011-1711東急車輌東洋電機IGBT富士見ヶ丘→高井戸3次車
1712F1762-1112-1062-1012-1712東急車輌東洋電機IGBT駒場東大前→池ノ上
(減速時微妙に空転あり)
4次車
1713F1763-1113-1063-1013-1713東急車輌東洋電機IGBT三鷹台→井の頭公園
1714F1764-1114-1064-1014-1714東急車輌東洋電機IGBT久我山→富士見ヶ丘
1715F1765-1115-1065-1015-1715東急車輌東洋電機IGBT西永福→浜田山
1721F1771-1121-1071-1021-1721東急車輌日立IGBT井の頭公園→三鷹台5次車
1722F1772-1122-1072-1022-1722東急車輌日立IGBT未収録
1723F1773-1123-1073-1023-1723東急車輌日立IGBT未収録
1724F1774-1124-1074-1024-1724東急車輌日立IGBT三鷹台→久我山
1725F1775-1125-1075-1025-1725東急車輌日立IGBT三鷹台→井の頭公園
1726F1776-1126-1076-1026-1726東急車輌日立IGBT未収録6次車
1727F1777-1127-1077-1027-1727東急車輌日立IGBT未収録
1728F1778-1128-1078-1028-1728東急車輌日立IGBT未収録
1729F1779-1129-1079-1029-1729東急車輌日立IGBT未収録
1730F1780-1130-1080-1030-1730東急車輌日立IGBT未収録
1731F1781-1131-1081-1031-1731東急車輌日立IGBT未収録
1732F1782-1132-1082-1032-1732東急車輌日立IGBT未収録
1733F1783-1133-1083-1033-1733東急車輌日立IGBT未収録
1734F1784-1134-1084-1034-1734東急車輌日立IGBT未収録
のマークが付いた音声ファイルは、ステレオで再生されます。


   1000系いろいろ  ◆
  • 車番とレインボーカラーについて
    1000系の各車両の形式は、渋谷方から以下の通りとなっている。

    1次車・2次車        クハ1750-デハ1100-サハ1500-デハ1000-クハ1700
    3次車以降            クハ1750-デハ1100-デハ1050-デハ1000-クハ1700


    1次車・2次車(〜1710F)のMT比は2M3T、3次車以降(1711F〜)のMT比は3M2Tとなっている。3次車以降MT比が変えられたのは、それまで製造された編成の、雨天時の空転が目立ったためである。各形式に編成番号(ex.1701F[第1編成]なら1)を足すと、その編成ができあがる仕組みになっており、前面の塗装は、1701Fから順にブルーグリーンアイボリーホワイトサーモンピンクライトグリーンバイオレットベージュライトブルーの7色(レインボーカラー)のサイクルになってる。
    ※1727Fと1734Fは、この7色にはないオレンジベージュとなっている。詳細は不明。

  • 1次車・2次車の様々な改造点
    1000系の1次車・2次車は、製造後様々な改造を受けている。製造当初との大きな違いは、パンタグラフを菱形からシングルアーム形に変更した点である。「編成詳細」に掲載している写真は、一部はまだ改造されていない時期に撮影したものもあるが、この改造工事は全編成が完了しており、1000系の菱形パンタグラフ搭載車はすでに消滅している。なおこれに先行して、1710Fの1010が試験的にシングルアームパンタグラフを搭載していた時期もあった。また、3次車投入に合わせ、車内案内表示機の取り付けも行われており、この設置工事も全編成が終了している。
    この他にも、運行番号表示機の移設、行き先表示機のローマ字と各停表示の併記化など、細かな点も改良された。

  • 1次車≒2次車<3次車≒4次車<<5次車=6次車
    同型式の車両で、製造が一時ストップし、しばらくしてまた再開されるときには、仕様の変更が行われることはよくあるが、1000系はその典型例とも言える。1次車と2次車、3次車と4次車、5次車と6次車は、製造が途中でとまることなく続けて製造されたため、その違いはごく微小で、素人目には分からない。しかし2次車と3次車、4次車と5次車は、間をあけて製造されたため、デザインや搭載機器の変更が行われ、大きな違いがある。そこでここでは、その素人目には分からない、1次車と2次車、3次車と4次車の違いを見ていこうと思う。
    1次車と2次車の最大の相違点は、冷房装置の形状である。下の画像を比較してもらいたい。左が1次車の冷房装置、右が2次車の冷房装置である。2次車の方が縦の厚みがあり、1次車よりやや大きめな感じがする。なおこれは外観の形状の違いであり、車内からは違いは確認できない。

    次に3次車と4次車の違いであるが、こちらはほとんど相違点がないので、これを区別と言っていいのかと疑問に思うほどである。あえて目で見て分かる点をあげれば、下の画像にある乗務員室後方の窓の大きさだ。3次車・4次車どちらも高運転台が取り入れられているが、3次車の窓の大きさは、1次車・2次車などの大きさと変わらずやや大きめ(写真左)、それに対して4次車は、運転台の位置に合わせて、窓は小型化されている(写真右)。その他の相違点はというと、ドアチャイムの音量の大きさ(3次車は4次車より小さめ)などの本当に細かな点であり、ここに挙げるには至らないものだろう。

    なお、5次車と6次車に関しては、製造年度の違いのみであり、仕様に関してはほとんど変更箇所は無い。(5次車と6次車の違いに関しては、えんどぅ様のブログ「えんどぅのテツ☆ブログ」の記事「5次車と6次車」の情報をもとにしています。)


  • VVVF装置について
    1000系からは、井の頭線では初のVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ装置が導入された。省エネルギー化が流行る今、鉄道界ではもはや定番となりつつあるVVVFであるが(VVVFの概要については、他の資料等に任せる)、1000系のVVVF装置は編成ごとに制作会社が違うなど、いくつか特筆すべき内容がある。
    「編成詳細」の表を見てもらうと分かるとおり、1710Fまでは、奇数編成は東洋電機製(素子はGTO)のVVVF装置を、偶数編成は日立製(素子はIGBT)のVVVF装置を採用している。奇数編成と偶数編成で制作会社を分けているのは、全国ではこの他にも近鉄7000系などがあるが、スイッチング素子として、IGBTとそれより一つ古いタイプであるGTOが、奇数・偶数編成ごとに分けられているというのは、非常に珍しいタイプであり、なぜこのような分け方がされているのかも不明である。
    また、1711F〜1715Fは東洋電機製(素子はIGBT)に、1721F以降は日立製(素子はIGBTであるが、1・2次車とは異なるタイプ)に統一されており、これもまたなんとも不思議な感じがする。1712Fが新製搬入されたとき、てっきり管理者は「次は日立が導入される」と思っていたので、装置を見て不覚にも驚いてしまったのを今でも覚えている。

    1708Fの日立製VVVF装置

inserted by FC2 system